日本では先進諸国のなかでも類を見ないほどの速さで高齢化が進んでいるため、住宅にも安全で快適でいつまでも安心して住めるような環境が求められています。ここでは高齢化対策、バリアフリー対策について説明させていただきます。
アプローチ
道路と敷地に高低差があったり、飛び石などの段差があると足下が不安定になりやすい。アプローチはできるだけ平らで滑りにくい仕上にしましょう。 段差をどうしても解消できない場合は、仕上材の色で注意を喚起するとか、手すりや照明を設けるなどして対応するなどの対策があります。
玄関
玄関では土間と室内との間に高低差があります。上がり框の近くに手すりや踏台、ベンチなどを設けたり、框部分の段差を小さく抑えるために、アプローチをスロープにする方法などあります。 また、 玄関を明るくして出入りの際に暗がりを歩かなくてすむような対策も必要です。
階段
階段は上り下りしやすくして、手すりはなるべく降りる際に利き手側にくるようにすると良いです。利用者が体重をかけやすいように、足下灯などの照明も用意するとよいでしょう。
寝室とトイレ
寝室とトイレはできれば近接させたい。不可能な場合は、冬場のヒートショック対策として、廊下にも暖房を入れる。介護を考えたトイレにするには、車いすを使ったり介護が必要になったりする場合も考え、後ろからスペースを広げられることも可能なプランにしておくとよいでしょう。
浴室
住宅の事故で浴室の事故がかなりあります。事故の起きにくい浴室の対策として、浴槽はあまり大きくしない。それより浴槽のわきに腰掛けられるスペースをつくっておけば、安全に浴槽の出入りがしやすい。 また、手すりの設置も事故の防止に効果的です。
また、将来の介護を想定した浴室対策として洗い場を広めに確保して、介護する人が高齢者の身体を洗ってあげられるようなスペースをみておくことも必要でしょう。浴室には安全な機器を設置するようにして、シャワーは手元でコントロールできるタイプに。やけどをしないように、水栓金具はサーモスタット付きのものがよいでしょう。
床には滑りにくい材を用いるようにしましょう。また、浴室の床や玄関ポーチなどには、滑りにくい材を用いるようにしましょう。
手すり
階段、玄関、トイレ、浴室、には必ず手すりを取り付ける。廊下、洗面所等は後で取り付けできるよう補強材を入れておく。